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インスティトゥト・セルバンテス東京「フェデリコ・ウリベ -再構築、出現-」感想〜素材からイメージを膨らますユニークな制作手法

以前に投稿しましたように、市ヶ谷のインスティトゥト・セルバンテス東京に「ヒルダ・パラフォックス展覧会」を見に行った際に、隣のスペースで開催されていた「フェデリコ・ウリベ -再構築、出現-」も見て来ました。
個人的にはフェデリコ・ウリベの展示の方が良かったです。

「フェデリコ・ウリベ -再構築、出現-」感想

「フェデリコ・ウリベ -再構築、出現-」展示風景

セルバンテス東京のギャラリースペースはかなり広いため、ご覧のようにゆったりと作品が配置されていました。

ちなみに後述のステートメントにも書かれているように、ウリベ氏は当初は絵画を描いていましたが、伝統的な絵画の考え方がなかなか理解できず、また絵画というメディウムにもあまり魅力を感じることができなかったようで、それで今の日用品を用いた立体作品に転向したようです。

ユニークな方法論(制作手法)

ウリベの作品は、見た目のインパクトもさることながら、ユニークな方法論(制作手法)にも強く惹かれました。
私のそれと非常に対照的であったためです。

「フェデリコ・ウリベ -再構築、出現-」ステートメント

このステートメントを読む限り、ウリベ氏は表現したいものを作り上げるために素材を選択するのではなく、まずその(恐らくは気になった)素材を徹底的に観察し、そこから膨らんできたイメージを形にして行くプロセスで作品を制作しているようです。

Presión

だとするとこの「Presión」(プレッシャー)と題された作品も、その感覚を表現したくて作り始めたのではなく、作品の素材である鉛筆(の束)を眺めているうちにプレッシャーのようなものを感じ始め、それを具現化して行くうちにこのような造形に至ったということになります。

少なくても私にはこのような豊かなイメージの発想力はなく、それゆえウリベ氏のような制作手法は考えもしなかったので驚きでした。

バラエティに富んだ素材でありながらも、鉛筆と銃弾、釘を用いる頻度が高い

もう1点気になったのは、作品に用いられている素材の種類です。
バラエティに富んだ素材が使われていながらも、詳しく見ていくと鉛筆の比率が圧倒的に高く、ついで銃弾や釘の比率も高くなっています。

銃弾は長らく続いた内戦を連想させますし、釘も本来の用途は建築やDIYですが、作品での使われ方からは暴力的な要素を感じます。
それに対して鉛筆は何を意味するのでしょうか…個人的には教育を連想しますが。

なお明日7月13日(金)の17時から、ウリベ氏のアーティストトークがありますので、もし可能なら上述のユニークな制作手法や素材の選択について尋ねてみたいと思っています。

アーティストトークの申込先はこちらです↓
フェデリコ・ウリベ展覧会 アーティストトーク

インスティトゥト・セルバンテス東京「フェデリコ・ウリベ -再構築、出現-」展示案内
(展示は8月20日まで)

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