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昨日、知人の熊谷薫さんがキュレーションした馬喰町アートプロジェクト Beyond Facadeのイベントの1つの、ダンスカンパニー ときかたちの公演を拝見しました。
公演とのことで、パフォーマンスを受動的に鑑賞するスタイルを想定していましたが、まったく予想外の内容でした。

ビルの複数フロア使用のプランを活かした効果的な演出

今回の展示「馬喰町アートプロジェクト Beyond Facade」は、馬喰町にあるリノベーション前のビルgran+馬喰町を丸ごと利用したもので、今回の公演も4Fから6Fの3フロアを使って行われました。
具体的には先ず6Fでこのビルの精霊?からの挨拶文を読み、その後5Fのインスタレーションを観てから4Fでパフォーマンスを鑑賞するというものでした。

こうした移動のプロセスの存在は、複数のフロアを使用するプランを有効活用した演出と感じました。

また今回の公演は滞在制作によって行われたもののようですので、サイトスペシフィック*を強く意識した結果生まれたスタイルと考えられます。

*サイトスペシフィック~場所性とも訳される、その場所あるいは空間ならではを意識した作品や展示、建築物などに充てられる概念で、近年のトレンドワードの1つ。

鑑賞者の存在をプロセスに組み込んだ巧みな演出

さらに今回の公演の演出の工夫はそれだけではありません。

後述のメインの2人のパフォーマーの他に、私と同じ鑑賞者とばかり思っていた人が次々とその2人と関わり出し、しかもその関わりが微妙なものであったため、鑑賞者の中にパフォーマーが紛れ込んでいたのか、それとも鑑賞者が途中から何か感じて関わりを持ち始めたのか、傍目には分からない状況が生じていました。

これなども鑑賞者の存在をさり気なくプロセスの一部に組み込む、非常に巧みな演出と感じました。

ダンスカンパニーときかたち公演は本日11月3日(日) 13:00〜14:00にも開催されます。
公演は無料ですので、お時間がございましたら是非ご覧ください。

申込み方法

下記フォームにて、参加希望の時間帯、参加者の氏名、当日連絡可能な電話番号をお知らせくださいとのことです。
https://forms.gle/pdkLdBK5P3Fhjx5x9

その他の展示作品もビルの元テナントと関連性を持たせたセレクト

また馬喰町アートプロジェクト Beyond Facadeのその他の展示作品には、布などの素材を使ったものが多く見受けられましたが、こちらも恐らく以前に衣料品の会社が入居していたことと関連性を持たせたものと考えられます。

つまりビル内の空間を単に作品を設置することが可能なハコと考えるのではなく、またリノベーション前の使用感を生かすだけでもなく、建物の歴史までをも織り込んだサイトスペシフィックを意図したセレクトだったのではないかと考えられます。

馬喰町アートプロジェクト Beyond Facadeのその他の展示については、下記のFBイベントページをご覧ください。
https://www.facebook.com/events/535539827247816/

次のページでは、メインの2人のパフォーマンスについて感想を述べます。

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