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昨晩、青山のスパイラルホールでイメージフォーラムフェスティバル2018を観て来ました。
拝見したのは審査員の一人でもいらっしゃるシェリー・シルバー氏の『ランプたち』『家を出ることについての37話』の2つの映像作品です。

普段、映像作品を観る機会はほとんどないため、今回は非常に貴重な経験となりました。
ですので今回は、あくまで私見ですがそこで得た洞察を記事にします。

人物にフォーカスした作品の、私写真との文法の類似性

まず気づいたのは『家を出ることについての37話』を拝見していて感じた、私写真との文法の類似性です。

私写真とは「撮影者の身のまわりの事象やプライヴェートな出来事などを題材とした写真」(現代美術用語辞典ver.2.0 – Artscape) のことを指しますが、こうしたジャンルの写真ではよく人物写真の間に一見無関係に思える風景写真が挿入されています。
そしてこれと同じ手法が『家を出ることについての37話』でも繰り返し用いられていました。

この手法がシルバー氏独自のものなのか、それとも映像作品の典型的な手法なのかは定かではありませんが、私写真ブームゆえに写真作品で非常によく目にする手法を、インタビューを素材とした映像作品でも拝見したことで、あくまで私見ですが写真作品と映像作品のセオリーには、意外と共通点が多いのではとの印象を抱きました。

次のページでは「物語と物語性」「主体」「受け手の解釈のバラツキ」などの観点から、映像作品とエンターテイメント性の強いドラマや映画とを比較検討します。

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