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Diversity vol.2~万城目純の立体曼荼羅のインスタレーション作品の感想

少し時間が空いてしまいましたが、先日終了した「Diversity vol.2」の展示作家の作品の感想を掲載します。
前回のミホリトモヒサさんに続き、今回は3人目の万城目純さんのインスタレーション作品の感想です。

東寺講堂にある立体曼荼羅をレディ・メイドで移設した作品

Diversity vol.2~万城目純さんの立体曼荼羅のインスタレーション作品

こちらが2日目に拝見した万城目さんのインスタレーション作品です。
弘法大師空海が構想したとされる京都の東寺講堂の立体曼荼羅を、東京のART TRACE GALLERYへ移設した作品です。
ただ移設といっても立体曼荼羅を構成する仏像を本当に持って来れる訳ではないので、代わりにそれぞれの仏像の絵葉書が設えられています。

もっとも本物の仏像を持って来れないとしても、それに似せた模像を製作することも手間さえかければ可能なように思えますので、なぜ絵葉書なのかと尋ねると、レディ・メイドという答えが帰って来ました。

レディ・メイドはご承知のように「マルセル・デュシャンによって考案された作品概念」ですが、万城目さんは単にデュシャンの流儀に倣うだけでなく、立体曼荼羅の非物質的な側面を重視し、その思想を体現するために「見た目は大して重要ではない」というメッセージをレディ・メイドという手法に込めたように私には思えました。

日本では細密画や超絶技巧に代表されるような、技量に秀でた作品が好まれる傾向があるように思えますが、絵葉書を用いた当作品からは、それと一線を画するような万城目さんならではの感覚が感じられました。

またレディ・メイドは既製品と訳される用語ですが、既製品であれば例えば現地で土産品などとして立体曼荼羅や各仏像のミニチュアが売られていてもおかしくなく、それらの方がよほどリアリティが感じられるはずです。
しかしそれでも絵葉書を用いたということは、既製品であること以外にも、さらに何か別の意図があると考えられ、それが万城目さんのユニークさの一要素のように思えました。
因みにそれは、私見では脱リアリティあるいは観念重視のように感じられました。

補足) 立体曼荼羅の本来の意図は、キリスト教の宗教画と同じく、布教のために教義の内容をヴィジュアルで分かりやすく伝えるというものです。

次のページでは、中央の奥に見える大日如来坐像を模したと考えられるオブジェについて感想を綴ります。

参考ページ

立体曼荼羅|東寺 – 世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺
レディ・メイド | 現代美術用語辞典ver.2.0 – Artscape

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