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ヴォルフガング・ライプ展の展示目録ー7days Book Cover Challenge Day2

目次:
ヴォルフガング・ライプ展の2冊の展示目録
ヘーゼルナッツの花粉の綺麗さに感激
ライプの作品を見たことで意識が変容
コンセプトが知りたくて古本屋で購入
アートというよりも精神修行

ヴォルフガング・ライプ展の2冊の展示目録

読書文化の普及への貢献を意図した7days Book Cover Challenge、2日目に紹介する図書はドイツのアーティスト Wolfgang Laib(ヴォルフガング・ライプ)が日本で行なった個展の2つの展示目録です。

ヴォルフガング・ライプ展の展示目録

いずれも2003年に開催された個展の目録で、左が東京国立近代美術館、右が豊田市美術館のものです。

ヘーゼルナッツの花粉の綺麗さに感激

ヴォルフガング・ライプの作品を初めて拝見したのは、就職で上京して間もなくの頃にワタリウム美術館で開催された「Light Seed展」ででした。

この頃はまだアートの理論的な事柄にはまったく無知でしたので、床に敷きつめられた黄色いヘーゼルナッツの花粉の綺麗さに、ただただ感激したのを覚えています。
今改めて上記のワタリウムのアーカイブページを見ると、他にも蜜蝋を使った作品など非常に興味深い作品が展示されていたのですが、当時の私の心には響かなかったのか、まったく記憶に残っていません…

またキュレーションを手がけたのが、ドクメンタのディレクションなどで知られるゼーマンだったことも驚きです。

ライプの作品を見たことで意識が変容

その後ライプの作品に触れる機会はありませんでしたが、今年の初めに家の近所にあるケンジタキギャラリーでヴォルフガング・ライプ展が開催されていて、30年ぶりに彼の作品を拝見しました。
そしてその際に意識の有り様が急に寛容になるなどの変化を経験し、改めてライプの作品の素晴らしさを実感しました。
関連ブログ:お気に入りの作家のアート作品を鑑賞後、味覚や食べ方が一変

コンセプトが知りたくて古本屋で購入

そこでライプの作品のコンセプトが知りたくなりネットで探して見ましたが、アマゾンにはなく、またメルカリではあっても4万円の値がつけられていました。
しかし2つの古本屋さんが、いずれも2000円以下という非常に良心的な価格で販売されていて、無事に入手することができました。

アートというよりも精神修行

この2つの展示目録でライプの作品のコンセプトを調べてみて感じたことは、豊田市美術館学芸員の金井直さんが「行者」「孤高」と称されているように、ライプの活動はアートというよりも精神修行に近く、しかしその行為が有形物を用いることによって行われているため、周囲の人からはアートの文脈で語られているように思えました。

つまりライプのアートとみなされている行為の本質は、自然物や造形物を通じた「内なる神」との内的対話であり、そこには多分に投影の心理が働いているのではないかという解釈です。

追伸) 明日6月7日(日)20時放送のNHKEテレ「日曜美術館」のラストで、新型コロナウイルスが猛威を振るう社会情勢について、ライプが番組に寄せたメッセージが紹介されますので、ぜひご覧ください。
なお今回の番組では、今こそ見て欲しいこの一作として、森美術館館長の片岡真実によりライプが選出されていました。
「#アートシェア 今こそ、見て欲しいこの一作」 – 日曜美術館 – NHK

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