ART TRACE GALLERY「作家と本棚」~挿絵「メルクリウスの泉」と1つ目の作品《カオスの海》

ART TRACE GALLERY「作家と本棚」~大展示室の作品《メルクリウスの泉》のステートメント

10月2日よりART TRACE GALLERYで開催中のグループ展「作家と本棚」。メインフロアである大展示室には、昨年の個展「症状の肖像」に引き続き、舞踏家の相良ゆみさんの協力を得て制作した、錬金術をモチーフとした作品を展示しております。

ページ上部の画像は、錬金術のテキスト『哲学者の薔薇園』の1つ目の挿絵「メルクリウスの泉」と、その挿絵を分割解釈した1つ目の作品《カオスの海》です。

これまで一部の作品を海外のアートフェアなどに出品したことはありますが、1つの挿絵に関する作品をすべて展示するのは今回が初めてとなります。
この機会にご高覧いただけますと幸いです。

以下、ステートメントの内容を転載致します。

ステートメント

心理学者のカール・グスタフ・ユングは、中世の錬金術を、卑金属から金を作り出す試みとは別に、彼が「個性化」と名づけた心の成長のプロセスの象徴でもあると仮定し、その考えを『転移の心理学』に記した。しかしその解釈は挿絵を参照しても理解が困難なほど難解を極める。
そこでかつてキリスト教の普及活動において、文字が読めない人々にも聖書の教えが理解できるように、各場面を描いた絵画が用いられたことに倣い、錬金術のプロセスが象徴的に表された挿絵のその象徴1つ1つを分解して写真作品で表象することを試みた。
本展示ではユングが前掲書で分析した錬金術のテキスト『哲学者の薔薇園』に収められた最初の挿絵である「メルクリウスの泉」を扱う。

ART TRACE GALLERY「作家と本棚」展示案内

ART TRACE GALLERY「作家と本棚」~挿絵「メルクリウスの泉」と1つ目の作品《カオスの海》
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