写真家 田尻健二のウェブサイト(Ver.3)。撮影した写真・展示情報・写真をはじめとしたアート情報などを掲載。今後の展示予定:2019年10月2日~10月9日 ART TRACE GALLERY「作家と本棚」

作品《集団自由連想》のコンセプト

展示に関する補足情報です。
外苑前のトキアートスペースで明日8月7日(水)から始まる「THE LIBRARY 2019」の展示作品《集団自由連想》は、その後所属のART TRACE GALLERYで10月2日(水)から開催されるグループ展「作家と本棚」と連動させて展示することに致しました。
具体的には、以下に述べるような自由連想の作業を「THE LIBRARY 2019」終了後も継続し、連想語を蓄積して行くというものです。

無意識の意識化を促す「自由連想法」

まず作品に用いられる自由連想法という手法について説明致します。

自由連想法とは精神分析を創設したフロイトが、神経症(当初はヒステリーと呼ばれた、今日の「不安障害」のカテゴリに該当する病態)の治療のために開発した技法です。
この技法ではカウチと呼ばれる寝椅子に患者さんが腰掛け、その後ろに分析医が座り、患者さんは心に浮かんだことを包み隠さず話すことを求められます。

詳しい作用機序の説明は割愛させていただきますが、このような作業を続けていくことで、無意識と呼ばれる通常は簡単には意識されることのない事柄が意識されると同時に、神経症的な症状が消失するとフロイトは考えました。

特別な意識状態へと心を導き、予想外の連想を引き出す「自由連想法」

実はこの自由連想法を私自身、過去に集中して行ったことがあります。
黙っていても伝わるとの思い込み-自由連想法による自己分析1回目

こちらがその第1回の記録ですが、心に浮かんだことを全てパソコンに入力していく作業を50分近く続けていると、段々と普段とは異なる意識状態になっていき、やがて長らく忘れていた出来事が、しかも細部に渡って思い出されて驚いたことを覚えています。

このように自由連想法とは、変性意識状態に近いような特別な意識状態へと心を導き、その結果ブレインストーミングなどでも得られないような予想外の連想を引き出す非常に強力な手法と考えられます。

複数人で行うと、更に予想外の連想が働き創造性が促される「自由連想法」

この個人で行っても非常に強力な作用をもたらす自由連想法を、今回は展示に先立ち、数日前に告知したART TRACE GALLERY「作家と本棚」の展示作家の一人の太田翔さんと往復書簡の形で行いました。

その結果は予想を遥かに超えるものでした。
展示タイトルの「作家と本棚」から私が連想する形で作業を始めましたが、私の連想語に対して太田さんから返ってくる連想語は、自分なら絶対にしないだろうと思えるような連想語ばかりで驚きました。

このため私の心は太田さんの予想外の連想語に引きずられる形で激しく揺り動かされ、その結果私の連想語も一人で行った時よりも遥かに取り留めのないものとなっていきました。

このことから自由連想法を複数人で行うことで、より短時間に理性のコントロールが抑制され、その結果「無意識」の内容が意識化されたり、あるいは固定観念から解き放たれることで創造性が呼び覚まされる効果が期待できるのではないかと予想しています。

この非日常的な次元の意識状態は「作家と本棚」における10月6日(日)のワークショップでライブで体験していただく予定ですので、ご期待ください。

最後に「作家と本棚」に先立ち明日8月7日(水)から開催される「THE LIBRARY 2019」には、次のような作品を展示致します。

作品《集団自由連想》のプロトタイプ

右側の説明文にも書きましたが、左の紙に書かれている文字を見て咄嗟に思い浮かんだことを、できれば文法を整えたりせずに、そのまま呟きのような形で右側の紙に記入し、その紙を次にご覧になる方のために、左の紙の上に重ねてください。

また左の紙の束は、自由にご覧いただいて構いません。連想語が次々と変化していく様をお楽しみください。
但し順番は入れ替えないように、お願い致します。




写真家 田尻健二
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