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1ページ目に、広瀬真咲 個展 [ 生態学4 meta + pulse ]の感想として、プライベートな蔵書が開示されていたことで、広瀬さんのユニークな視点の背景が、とても良く理解できたことを書きました。

その本棚には遺伝子、個体発生と系統発生、アートパフォーマンスなど、個人的に興味をそそられる分野の本が何冊も並んでいましたが、その中に是非購入してみたい書籍がありました。
それがこちらの『肉体のアナーキズム』です。

黒ダライ児著『肉体のアナーキズム』

黒ダライ児(黒田雷児)さんと仰る方の著書で、厚さが5cmくらいあります。
内容は1960年代の日本の、反芸術的なパフォーマンスアートの動向を綴ったもので、そのほとんどがメディアで一度も目にしたことのないものばかりでした。
またその多くが、今日では自主規制から実現が不可能に近い、性的な表現が含まれたものでした。

こうした60年代の実験的かつ過激なパフォーマンスが一世を風靡した時代と比べると、現代のアートシーンは知的かつ随分とお行儀良く感じられます。

130ページにのぼる年譜や250点以上の図版が掲載されているなど、資料としても価値ある書籍ですので、大型書店になければアマゾンで購入しようと思っています。

紹介文献

黒ダライ児著『肉体のアナーキズム 1960年代・日本美術におけるパフォーマンスの地下水脈』、grambooks、2010年

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