多様な芸術ジャンルのアーティストが参加するミニ芸術祭のように
前述のように、ギャラリーの変革のためには、展示内容を大幅に変えていく必要があるとの考えに至ったわけですが、その最も効果的な手段と考えられるのはジャンルの幅を広げてしまうことです。
これまで行われて来なかった芸術ジャンルの展示やイベントが実現すれば、そのジャンルにまつわる人々との交流が期待できるためです。
このため来年の私の展示枠では、多様な芸術ジャンルのアーティストが参加するミニ芸術祭のようにしたいと考えています。
ミニ芸術祭の試みは所属アーティストにもプラスとなるはず
またミニ芸術祭の試みは、ギャラリーの集客増に寄与するだけなく、所属アーティストにとってもメリットがあるのではないかと考えています。
なぜならフォーマリズム的な思想にどっぷりと浸かり、かつ他のメディウムや芸術ジャンルの人々と一切関わらないような、極端に自閉的・村社会的な感覚の人でもない限りは、多様な刺激を受けることで自身の作品にプラスの影響が見込めると考えられるためです。
(もっともそうした人は、最初からメディウムを特定したインディペンデント・ギャラリーを志向しているでしょうが…)
アート作品の展示だけに使うのは勿体無い空間
またミニ芸術祭の試みを思いついた別の要因として、アートトレイスギャラリーの展示空間の性質を挙げることができます。
アートトレイスギャラリーが入居している物件は、元々印刷工場だったこともあり、コマーシャル・ギャラリー並みの広さと天井の高さを有している非常に魅力的な空間です。
ですから、このような空間をアート作品の展示だけに使うのは勿体無いと思いました。
実際来場者の方から、しばしば「貸しはやらないのですか?」と聞かれます。
私自身がアート以外の芸術ジャンルに強い関心がある
さらに言うまでもないことですが、芸術祭のような催しを行いたいと考えているのには、私自身の芸術全般への強い関心が関係しています。
たびたび記事の中で触れてきましたが、2015年に京都造形芸術大学の通信課程で学ぶようになって初めて、写真やアート以外の芸術ジャンルについても興味が湧き、その後もますますそれらの領域への関心が高まっています。
別に仕事ではないのですから、興味がないことに対してエネルギーを割きたくなどありません。
ですからこれまでの話と文脈が違ってしまうかもしれませんが、今回の構想はギャラリーのために行ったわけではなく、自分がやってみたいことがギャラリーにとってもメリットとなるかもしれないと言うのがより的確です。
パフォーマンス・アーティストの万城目純さんが参加予定
以上のような趣旨のもと、早速先日の「105°」のレセプションにお越しいただいたパフォーマンス・アーティストの万城目純さんにオファーし快く引き受けていただきました。
万城目純さんのアート・パフォーマンスのいくつかは、YouTubeでもご覧いただけます。
万城目純パフォーマンス – YouTube
会期までまだ1年間ありますので、今後も他の芸術ジャンルの方々にアプローチしていきたいと考えています。
またイベントにご興味がある方からのご連絡もお待ちしております。
dream-seeker@fq.holy.jp
ミニ芸術祭はきっかけ作りで、多ジャンルの人々に来期のメンバーになっていただくことが目的
最後に来年行う予定のミニ芸術祭の試みは最初のステップに過ぎません。
他の所属メンバーがどう思うか分かりませんが、私の希望は今回のミニ芸術祭をきっかけに、他の芸術ジャンルの方々にアートトレイスギャラリーを知っていただき、その中から空間に魅力を感じて来期のメンバーになる方が現れることです。
そうなれば自ずとケルンのZollstoc Kulturのように多様な芸術ジャンルの人々が集うギャラリーへと変貌して行くことでしょう。
追伸)今回の芸術祭では、単に多ジャンルの芸術作品を集めるだけでなく、実験的な試みも色々と試してみたいと考えています。
内容が固まり次第、こちらについても随時記事にしていきます。
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