先週、市ヶ谷のセルバンテス文化センターというスペインの文化施設で、ARCOT2018を見てきました。
ARCOTとは日本とコロンビアの文化交流を促進する団体の企画で、今回はコロンビアのアーティストのグループ展です。
なお私も今年後半にコロンビアの大学内のギャラリーで開催されるグループ展に参加する予定で、今回の展示も、そのキュレーターの方から教えていただいたものです。
ARCOT2018の感想
日本でも世界各国のアーティストの作品を拝見する機会が時々ありますが、コロンビアのアーティストの作品を拝見するのは初めてのような気がします。
地域色はあまり感じられない
欧米以外の地域の方の作品からは、よくその地域の文化や風土の影響による独特の様式のようなものを感じることがありますが、コロンビアのアーティストの作品からは、数点を除いてそれらはあまり感じられませんでした。
注)もっともこの私の見解は「欧米以外の地域の作品=地域色が現れている」という偏見に満ちています。
しかしそれでも、普段よく拝見する日本のアーティストの作品とも大きく違っているように思えました。
高校の美術の段階からテーマを決めリサーチを元に作品を制作する手法を教わるコロンビア
この違いは何なのだろうと考えていると、少し前にそのキュレーターの方から伺ったコロンビアの教育事情のことが思い出されました。
すべての学校に共通しているのかは定かではありませんが、コロンビアでは既に高校の美術の時間の段階から、まずジェンダーなど作品で扱うテーマを決め、さらにそのテーマについてリサーチしてから作品を作る手法を教わることが割と一般的なのだそうです。
メッセージが分かりやすい
このコロンビアの美術教育の方針の成果は、今回の展示にも現れているように思えました。
それぞれの作品にはステートメントが設置されていなかったため、制作者の意図は作品とタイトルから推測するしかなかったのですが、それでも不思議と意図を推測するできる作品がいくつもありました。
つまりメッセージがとても明確な作品が多かったということです。
補足)政治や社会問題を扱った作品が多いように感じられました。
なお、このことは作品のみからでも十分に伝わってきたというわけではなく、あくまでタイトルとセットになって初めて伝わってきたということです。
(このことの重要性は、近日中に記事にする予定です)
展示は4月27日(金)までです。