要約:スプラウト・キュレーション「風と、イメージ」の参加作家の宇田川直寛氏は、作品制作の内面的なプロセスに強い関心を寄せる方であるが、私自身も自己の内面を作品制作や表現形式に反映し続けてきたためシンパシーを感じる。
今回の記事は、これから拝見する予定の展示に関するものです。
スプラウト・キュレーション「風と、イメージ」を拝見する予定
本日9月19日(日)の17時まで開催されている、スプラウト・キュレーション「風と、イメージ」を見に行きたいと考えています。
知人の小山維子さんが参加されているグループ展ですが、他の参加メンバーについて調べているうちに興味深い思想をお持ちの方がいらっしゃいました。
主に写真をメディアとしてアーティスト活動を続けていらっしゃる宇田川直寛さんです。
制作の内面的なプロセスに強い関心を寄せる宇田川直寛氏
美術手帖のインタビュー記事によれば、宇田川さんは例えば完成形を目指した制作・展示活動というアート・ワールドの常識に対して「「なんでこう思っているのか」と考えて続けている状態も作品に含めたまま残したい」とお考えのように、思考の流れなど、ご自身の(アーティストとしての)内面のプロセスに非常に強い関心を寄せる方のようです。
私自身も自己の内面を作品制作や表現形式に反映し続けてきた
この点、私自身も2017年には「こだわりの果て…」と題して、写真家の作品のメディアとしてのプリントのクオリティへのこだわりが、同時に大量のミスプリントというゴミを発生させることを示しました。
また2019年に自ら企画したグループ展「Diversity vol.2」では、完成した作品のみを提示する展示の常識に疑問を感じたことから、搬入・搬出作業も公開する形をとりました。
補足) このグループ展での私自身の展示「価値あるいは意味」では、作品のオリジナル性に焦点を当て、過去作を模写するかのように、モデルの方に再度パフォーマンスでご協力いただき、できるだけ同じ絵柄になるようにタイミングを見計らってシャッターを押し続けて出来上がった数十枚のプリントを展示するというものでした。
加えてまだ実現には至っておりませんが「校則破り」と題して、あくまで健全な批判精神に基づき、アート・ワールドにまつわる既存の慣習から意図的に外れる試みを構想したこともあります。
以上のように私自身も自己の内面を作品制作や表現形式に反映し続けてきたため、今回宇田川さんがどのような思考を展示に反映させているのか、非常に楽しみです。