海を連想する作品
今日、外苑前のかわかみ画廊で「伊藤久美子 展-海をさがす夢-」を見てきました。
お客様が多数いらっしゃり写真を撮れなかったため、文章のみで感想を書きます。
ステートメントの一部に「自然と『海をさがす』ものが描けました」とありますが、その文章を目にする前から、美しいグラデーションを眺めているうちに自然と海を連想しました。
宗教の世界にも通じる深い安心感
もう20年近く前の話ですが、トランスパーソナル心理学というスピリチュアルな心理学のワークショップで伊豆へ行ったことがありますが、カリキュラムを終えた後に、列車の時間までまだ少し時間があるので、しばらく砂浜に座って海を眺めていました。
心理学の世界では、海はしばしば母性の象徴*とされますが、砂浜に座り波の音を聴きながら大海原を眺めていると、自分がとてもちっぽけな存在に思えてくると同時に、そのちっぽけな存在を目の前の海が受け止め包み込んでくれるようにも思えました。
*ここでの母性とは、母親に対して用いられるものではなく、もっと普遍的な概念です。
恐らくこの感覚は宗教における神に守られている感覚に通じるものでしょうが、伊豆で感じたその深い安心感のような感覚が、伊藤さんの作品を拝見したことで久しぶりに蘇りました。
展示は6月16日(土)までです。