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作家にとって魅力的なS.Y.P Art Spaceの運営システム

今回の記事は作家にとって魅力的なギャラリーの紹介です。

以前に曙橋にあるS.Y.P Art Spaceというギャラリーの展示を拝見したことがありますが、当番の方の話では、私の所属するART TRACE GALLERYとは、同じアーティストランのギャラリーでありながら運営システムが随分と違っているようでした。
そして今日またS.Y.P Art Spaceへ伺ったところ、ちょうどオーナーの方がいらっしゃったので、運営システムについて詳しくお話を伺うことができました。

私の理解では、S.Y.P Art Spaceは概ね次のような特徴を有するギャラリーのようです。
1. 展示スペースのみならずアトリエとしても活用
2. ビジネスとして収益を上げることを目的にはしていない
3. そのためスペースの使用料は、家賃を日割りした金額をベースに算定
4. 展示は作家とギャラリーとの共同作業で企画

1と2の意図から、具体的な金額の開示は差し控えますが、レンタルギャラリーの利用と比べて大変良心的な価格設定でした。

また4の共同作業とは、ギャラリーがキュレーションするわけではないですが、しかし展示作家が自由に作品を展示できるということでもありません。
具体的には作家がプレゼンしたプランを審査し、それをパスしたプランを共同で詰めながら展示へと繋げて行く(作り上げて行く)という形のようです。

この共同作業の存在は、自分の思い通りのプランで展示を開催したい作家にとってはネックになるかもしれません。
しかし見方を変えれば、判断に迷った時などに他者の視点から客観的な意見が得られるなどのメリットがあるとも言えます。

ですからS.Y.P Art Spaceは、決して格安で利用できるレンタルギャラリーというわけではありませんが、この共同作業の部分に意義を感じられる作家の方には非常に魅力的なギャラリーではないかと考えられます。
私自身もその部分に面白さを感じておりますので、今後機会があれば是非展示を実現させたいと考えております。

また展示自体も興味深いものが多いので、展示での利用にかかわらず足を運ぶ価値のあるギャラリーだと思います。

補足)作品の展示に限らず多用途での利用が可能なスペース

記事の投稿時には見落としていた点を補足させていただきます。

ギャラリーのサイトのトップページを拝見すると、作品の展示のみならず、活動報告や他の展示のプレゼンテーションなどでも使用可能なようです。

ですからS.Y.Pは「場」という表現に象徴されますように、作品を展示するかしこまった空間というよりも、多様な分野のアーティストの交流を促すオルタナティブ・スペースを志向する、来年の5月に私が所属ギャラリーで行おうとしている試みに近いことを恒常的に実践されているギャラリーとの印象を抱きました。

S.Y.P Art Space 公式サイト

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