写真家 田尻健二のウェブサイト(Ver.3)。撮影した写真・展示情報・写真をはじめとしたアート情報などを掲載。今後の展示予定:2019年5月10日~6月4日 ART TRACE GALLERY「Diversity vol.2」

作品『場を清める』の批評

Work "Soil-free spirit 5"

現在、作品『場を清める』がコロンビア各地を巡回中ですが、それらの展示のキュレーターでいらっしゃるTakaaki Kumagai氏に批評を書いていただきました。
作品を批評していただいたのは初めての経験ですので、嬉しい限りです。

 

場を清める

田尻健二による当作品は2010年代日本における「宗教」概念をめぐる社会的ディスコースの共約不可能性を、パフォーマンスというアート固有の手法を通し言明したものだと言えるかもしれない。
1995年のオウム真理教による地下鉄テロ事件以降、ニューエイジの影響を受けた新興宗教は一般市民の日常における仏教や神道といった伝統的宗教観念の圧倒的な影響力低下を明るみに出す一方、日本における広い意味での宗教的実践の可能性に暗い影を落としてきた。
この作品の中心的テーマである「清める」という行為に即して言えば、その伝統的観念―たとえば仏教の教義において想像されてきた浄土(ピュアランド)―と、新興宗教のグルらが「浄化」とみなし信者に強制する心理操作が、宗教団体当事者による言説においてしばしば混同されてきた現状に思いが及ぶ。
昨今の日本において「清める」こと、「ピュアである」ことの定義はいまだ混乱の只中にあると言ってよく、そのことは宗教の名を借りた神秘体験や予言的言辞が信者らの心を捉えるいっぽう、そうした実践が薬物やテクノロジーの使用など、雑多かつ疑似科学的なものと不可分であったこととも関係するのかもしれない。
ホワイトキューブと称されまたある種の「純粋」性を前提とするアート固有の空間を下敷きとする当作品は、こうしたスピリチュアルな実践が理論的脆弱さを免れ得ない日本社会固有の文脈に対する批評的介入として読めるはずである。

 

Purificar el ¨lugar¨

Las obras de Kenji Tajiri giran alrededor de las prácticas religiosas en el Japón de la posguerra, caracterizadas por una serie de actos antisociales cometidos por los gurús de la generación New Age. Como muestra el caso del atentado terrorista por Aum Shinrikyo contra los pasajeros del metro de Tokio en 1995, algunas organizaciones religiosos manipularon la psicología de sus seguidores con el fin de movilizarlos de manera violenta en lo que ellos definieron como ¨limpieza¨ de la sociedad, de acuerdo con sus causas proféticas. Argumentando la dualidad en el significado de la palabra ¨limpieza,¨ las obras de Tajiri una vez más nos recuerdan  la conflictiva diversidad de opiniones del público japonés sobre lo que se concibe como religión, lo que representa una profunda brecha entre su concepción convencional y la que abanderan los seguidores del New Age.

Takaaki Kumagai Ph.D.

Curador, SIN|CENTRO




写真家 田尻健二
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