前回の記事「JCATのグループ展「We」に参加決定」の中で、展示には作品「症状の肖像」のDuoバージョンを出品する予定と書きましたが、上の写真はそのDuoバージョンと同じ日に撮影した作品「Present moment」です。
パフォーマーも衣装も小道具も同じですので、同じような作品に見えるかもしれませんが、コンセプトはまったく異なります。
作品「Present moment」のコンセプト
二人の人が出会った瞬間にその場で生じている事柄
「Present moment」は日本語では出会いと訳されますが、私が想定したのは発達心理学者のダニエル・N. スターンの著書のタイトルです。
同書は「いま・ここ」とも称される現在の瞬間を人間関係に絞って考察するものですが、私がこの内容と本のタイトルから連想するのは、二人の人が出会った瞬間にその場で生じている事柄です。
そして「症状の肖像」のDuoバージョンを撮り終えた後、不意にこのフレーズが頭をよぎったため、試験的に撮影してみようと思い立ちました。
「出会う」こと以外は展開に任せる
撮影にあたっては二人の間に生じる現在の瞬間そのものを映し出したかったため、極力演出を省き、パフォーマーのお二方には、空間の両側から互いに歩み寄り、その後は感じるままに振る舞ってくださいとだけ伝えました。
そうして撮影された中の1枚が冒頭の写真です。
JCATのグループ展「We」の展示全体のコンセプトは繋がりですので、展示にはもしかしたら「Present moment」の方を出品するかもしれません。
初対面同士のバージョンも検討
なおパフォーマーのお二方は旧知の間だそうですでの、すでに出会っていた間柄と言えます。
ですので初対面同士の方に協力いただき、これから本当に出会うシチュエーションで撮影すると、また違った展開になるかもしれません。