「HB FILE COMPETITION vol.35 特別賞5人によるグループ展」の感想記事。fechukelさんの次は神谷洸平さんです。
神谷洸平さんの作品感想
不条理な世界観
神谷洸平さんの作品の中で最初に目に留まったのは、右下のダルマが描かれた作品でした。
このダルマが、どこか奇妙な笑みを浮かべているように見えたからでしょうか、以前に見たダルマが印象的なモチーフとして登場する、不条理な世界観の映画のことが思い出されました。
このことを感想として伝えると、神谷さん自身も作品制作において不条理な世界観へのこだわりをお持ちとのこと。
ですから私の連想は、単なる偶然ではなかったようです。
リアルな想像を掻き立てる作品タイトル
また作品タイトルの多くが、リアルな世界の想像を掻き立てるものになっていて、この点にも非凡なセンスを感じました。
擬人化されていない単一オブジェ作品
加えてこれは私が写真を主なメディアとして作家活動を行っているからでしょうか、全ての作品が1つのオブジェを描いたもので、さらにその多くがポートレートで多用される縦位置のフォーマットになっているにもかかわらず、擬人化された印象が伝わってこない点が、不思議に感じられました。
これだけ多くの条件が揃っていれば、写真の場合はかなりの確率で擬人化された印象が伝わってくるはずだからです。
この点も神谷さんに確認しましたが、特に擬人化については意識されていないようでした。
※この擬人化についての詳しい考察は、別途記事にする予定です。