金子國義展 2026「聖者はかく語りき」感想 – アンダーグラウンドな世界をファッショナブルに描いた人

金子國義さんの実物の作品を初めて拝見

先週、渋谷のヒカリエの8Fにある Bunkamura Gallery 8 で、金子國義展 2026「聖者はかく語りき」を拝見しました。

金子國義さんの作品は昔から好きでしたが、これまでは雑誌などのメディアを通じてしか目にする機会がありませんでした。
ですから今回こうして、金子さんの実物の作品を多数拝見できて感激でした。

アンダーグラウンドな世界をファッショナブルに描いた人

The Book / 2008 / 油彩 / 120号

ギャラリーの展示案内にも「美徳と悪徳、聖と邪が同居する危うくも美しい作品世界」と書かれていたように、金子さんはマイノリティに属するカルチャーや、タブー視されているような価値観を題材とした作品を多く制作していますが、それらのアンダーグラウンドな世界をとてもファッショナブルに描いた方だと思います。

そしてそうしたセンスがマジョリティの人にも支持され、多くのメディアで使われることで、これまであまり知られることのなかった世界に関心が持たれるきっかけを作ったのではないでしょうか。

Sebastianus / 2010 / 油彩 / 50号

コクトーのように多彩な人

また金子さんは、これも展示案内の言葉を借りれば「自分の衣食住に至るまで美しくあることに一切の妥協を許さず、絵画のみならず舞台美術や演劇、写真、着物のデザインなど幅広いジャンルで活躍」した方で、まるでフランスの芸術家ジャン・コクトーのような才能を感じます。

コクトーといえば、代表作の一つに『恐るべき子供たち』という中編小説があり、その中では、近親相姦的な振る舞いとともに、無邪気な残酷さが、幻想的な雰囲気で描かれています。

殉教 / 1995 / 油彩 / 50号

キリストの磔刑をモチーフとした金子さんのこの作品に描かれた子供たちからも、個人的には同じような心性が感じられました。

展示は4月5日(日)までです。

Bunkamura Gallery 8 金子國義展 2026「聖者はかく語りき」公式ページ

参考文献

ジャン・コクトー著『恐るべき子供たち』文庫版
複数の出版社から、異なる和訳が発売されているようです。

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